まなざしカレンダー

Kくんとザリガニ  


《 先週(9/18)の森でのエピソード 》


「 Kくんとザリガニ 」


この日のKくんは
なかだの森に到着するとすぐに
「ザリガニどこ?」
でした


前の週
干上がった水路で
大きいお兄さんたちが、これでもか!という位
 たくさんのザリガニを捕まえていました
Kくんが「ザリガニ見せて」
と言うと
「ほーら!」と鼻先に差し出された立派なザリガニ
いきなりでビックリしたのと
真っ赤なハサミを振り上げて怒っているザリガニの姿に
すっかり怖くなって泣き出すKくん
そして
そばに笑顔で見守るKくんのお母さん
お兄ちゃんたちも一生懸命なんだからしかたないねぇ
ちょっとだけのぞいてみたかったKくんの気持ちには
お構いなし・・・

そしてこの日、Kくんが森に来たのは
ちょうど幼稚園のお兄ちゃんも小学生のお兄ちゃんも
まだ来ていない時間
とことこと走って来て開口一番
「ザリガニどこ?」
でした


先週はザリガニが怖かったんだけど
私は心の中で「怖いもの見たさなのよね」
と思いながら一緒にザリガニを探すことにしました
子どもたちとザリガニ探しをすると
「いた!」
と子どもたちが叫んでいるのに
私だけ「どこ?」と見つからないことも多い
だからKくんとザリガニが見つけられるか
ちょっぴり心配だったんだけど・・・

見つけました!

それも特大の真っ赤なザリガニ
どうやら用水路の中で寝ているみたい

Kくんと
「ザリガニさん寝てるね。しっーだね・・・」
と見ていると
ちよこさんが通りかかって
あっという間にゴミをつまむハサミでつまみ上げて
水路の橋の上にポイと置いてくれました


それはそれは大きなハサミを
振り上げて怒る真っ赤なザリガニ!

怒りすぎて自分のハサミの重みで
でんぐりかえっちゃうほど怒っています

私だって、挟まれそうで怖い怖い・・・

そこへKくんのお母さん
「持ってみよっか!」とつまみ上げました

お母さんってすごいね!

そしたらKくんもやりたくなって
何回も何回も迷いながら
慎重にそおっと持ち上げて・・・
こちらが生まれて初めてザリガニを持てたKくん


それはそれはご機嫌です

そしてこの後
ずーっとザリガニを離さないKくん
とことこ走って
すってんころりんと転んでも
ザリガニを持つ手は離しません

ここにも登れるよ・・・



と乗せてみて
ザリガニがスルスルと滑り落ちてしまうと
「すべり台みたいだねぇぇ」

そうこうしているうちに
手を離しても
さっきみたいにハサミを振り上げて怒らなくなったザリガニ
「もう、怒らないみたいね。怒ってよー」
とザリガニに話しかけるKくん
そして
ピクリとも動かなくなってしまったのでした
「寝てるのかなぁ~?起きて、起きてよー」
とKくん
「死んじゃったみたいだね」と私
「死んじゃった?」
「そう、死んじゃったからお墓に埋めてあげようか」

「うん、お墓だね」
とトコトコついてくるKくん

穴を掘って土をかけて
私が「ザリガニさん、ありがとう、ゴメンね」
と小さい声で言うと
Kくんも「ありがとう!」と手を合わせました
なんでもまねっこしたい時ですからねぇ
そして「ここ、もう一回掘ってみよっか?」って
ニコニコしながら言うのです
もちろん
それはしませんでしたけど☆



自分にも記憶がある
子ども時代に蟻を水たまりに落として
「泳いでる!」と喜んだり
弟がセミの羽に糸を付けて飛ばしていたのを覚えている
小さい時に虫などの生き物に触れ
それが手のひらの中で動かなくなた経験は
誰にでもあると思う
いつか
Kくんも「命」を感じる
その瞬間が来るのだと思う
それは理屈ではないし
ましてや教え込むものではない
それは自分自身の心で感じるものなのだから☆

だからその時を待っていよう

そう、急がずにゆっくりと・・・
(hiromin)





コメント